どんど焼

     ○どんど焼初夢の字の舞い上がる
(どんどやきはつゆめのじのまいあがる)

       ○どんど焼みかん焼く子に餅焼く子    秋甫
       ○どんど火のぱあと上がればわあと逃ぐ  々
       ○左義長の竹パンパンと佳境かな     々

寒夕焼

     ○寒夕焼神の祠の底の闇
(かんゆうやけかみのほこらのそこのやみ)

       ○冬夕焼いろいろあって公園住まい   秋甫
       ○公園のベンチの男寒夕焼       々
       ○湯遊夕焼お店ごっこの品仕舞う    々

寒卵

     ○白めしの湯気に落とすや寒卵
(しろめしのゆげにおとすやかんたまご)

       ○寒卵貰って野の草買いにけり   秋甫
       ○寒卵呑んでラグビー観戦す    々
       ○雨降って寒卵濡らしけり     々

煮凝

     ○煮凝の琥珀に埋もる眼玉かな
(にこごりのこはくにうもるめだまかな)

       ○煮凝て一枚の皿輝ける         秋甫
       ○煮こごりの口に入れれば空しけれ    々
       ○ジュレというファッショナブルな煮凝の 々

寒四郎

     ○寒四郎九郎とつづく野の叫び
(かんしろうくろうとつづくののさけび)

       ○寒九郎チンカラ峠飛んで行け    秋甫
       ○ペチカの唄ピアノに歌う寒夜かな  々
       ○悲しみのライムライトを聞く寒夜  々

寒灯

    ○寒灯港に遠く船の上
(かんともしみなとにとおくふねのうえ)

       ○沿岸に製紙の街の寒灯     秋甫
       ○寒灯を消して独りのしじま哉  々
       ○我が家の寂しからんや寒灯   々