2019-01-01から1年間の記事一覧

水仙

○水仙の絵てがみ貰う水仙の庭 (すいせんのえてがみもらうすいせんのにわ) ○水仙のまっすぐ咲くや斜陽の家 秋甫 ○真夜中の水仙の香に人呼べり 々 ○水仙や海の白波うねる濤 々

冬深し

○冬深し漬物の石沈みけり (ふゆふかしつけもののいししずみけり) ○今朝の麺麭こんがり焼いて冬深し 秋甫 ○冬深し珈琲はストーブの上 々 ○冬深し獣らの穴闇深し 々

大寒

○大寒や今朝の着替えによろめきぬ (たいかんやけさのきがえによろめきぬ) ○大寒や天覧相撲に遠藤から 秋甫 ○大寒や歯医者の椅子にうがい水 々 ○大寒の道腰痛の友来る 々

千両の実

○千両の実の輝けば陰の射す (せんりょうのみのかがやけばかげのさす) ○千両の実に陰このむ性(さが)もあり 秋甫 ○千両の雨集めをり赤き実の 々 ○千両の実の愛おしく重なりぬ 々

日脚伸

○抜歯する椅子にガラスの日脚伸 (ばっしするいすにガラスのひあしのぶ) ○終えて出る試験机に日脚伸ぶ 秋甫 ○日脚伸ぶ午後の光の豊かにも 々 ○蛍雪の苦は秘めてこそ日脚伸ぶ 々 昨日から「はてなブログ eeyannka's diary」へ エクスポートの作業をしていま…

冬菜畠

○寒冷紗めくってみたき冬菜畠 (かんれいしゃめくってみたきふゆなばた) ○深窓の令嬢のごと冬菜畠 秋甫 ○冬菜もらって煮たり漬けたり活気づく 々 ○冬菜漬け廊下の隅を乗っ取らる 々 今月1月28日をもってこの「eeyannkaの日記」ーはてなダイアリーが終了しま…

冬銀河

○冬銀河受験勉強する窓辺 (ふゆぎんがじゅけんべんきょうするまどべ) ○見上げればこみあぐるもの冬銀河 秋甫 ○瞬きて吾に頷く冬の星 々 ○満天の星凍らせて月耐えし 々

松過ぎて

○松過ぎて雨の一日を寛ぎぬ (まつすぎてあめのひとひをくつろぎぬ) ○松過ぎぬ心を入れて痩せること 秋甫 ○松過ぎし雨に鴉の濡れてをり 々 ○松過ぎし友の病の癒えぬまま 々

どんど焼

○どんど焼初夢の字の舞い上がる (どんどやきはつゆめのじのまいあがる) ○どんど焼みかん焼く子に餅焼く子 秋甫 ○どんど火のぱあと上がればわあと逃ぐ 々 ○左義長の竹パンパンと佳境かな 々

寒夕焼

○寒夕焼神の祠の底の闇 (かんゆうやけかみのほこらのそこのやみ) ○冬夕焼いろいろあって公園住まい 秋甫 ○公園のベンチの男寒夕焼 々 ○湯遊夕焼お店ごっこの品仕舞う 々

寒卵

○白めしの湯気に落とすや寒卵 (しろめしのゆげにおとすやかんたまご) ○寒卵貰って野の草買いにけり 秋甫 ○寒卵呑んでラグビー観戦す 々 ○雨降って寒卵濡らしけり 々

煮凝

○煮凝の琥珀に埋もる眼玉かな (にこごりのこはくにうもるめだまかな) ○煮凝て一枚の皿輝ける 秋甫 ○煮こごりの口に入れれば空しけれ 々 ○ジュレというファッショナブルな煮凝の 々

寒四郎

○寒四郎九郎とつづく野の叫び (かんしろうくろうとつづくののさけび) ○寒九郎チンカラ峠飛んで行け 秋甫 ○ペチカの唄ピアノに歌う寒夜かな 々 ○悲しみのライムライトを聞く寒夜 々

寒灯

○寒灯港に遠く船の上 (かんともしみなとにとおくふねのうえ) ○沿岸に製紙の街の寒灯 秋甫 ○寒灯を消して独りのしじま哉 々 ○我が家の寂しからんや寒灯 々

年神

○年神に窓を叩いて起こされし (としかみにまどをたたいておこされし) ○年神の今年も米を送るという 秋甫 ○年神と雀の庭へ舞降りぬ 々 ○ふくよかな女人年神来たりけり 々 「七福人」 弁財天、福禄寿、毘沙門天、布袋尊、恵比寿天、大黒天、寿老人、 これら…

冴える

○月冴えて金星人と握手する (つきさえてきんせいじんとあくしゅする) ○ジャムを煮る窓より海の冴えにけり 秋甫 ○今朝の冴え職得しという吉報あり 々 ○今朝冴えて一つの重荷下りにけり 々

青木の実

○青木の実おらおらでひとり生ぐるも (あおきのみおらおらでひとりいぐるも) ○声出せばきっぱり物言う青木の実 秋甫 ○青木の実独り暮しを葉に隠す 々 ○青木の実シベリウスなど聞いてゐる 々 2017年の芥川賞を取った若竹千佐子氏の「おらおらでひとりいぐも…

七種粥

○七種粥のごとき平成を閉ず (ななくさがゆのごときへいせいをとず) ○七種の薺は風に揺れてをり 秋甫 ○四人から一人になりて薺粥 々 ○薺粥かゆ好きは奈良の茶粥で 々 Eテレでウィーン・フィルの「ニューイヤーコンサート」を聞く。演奏はもとよりこのウィー…

賀状読む

○親友から五十五枚目の賀状かな (しんゆうからごじゅうごまいめのがじょうかな) ○かな釘の字も二三枚年賀読む 秋甫 ○印刷に今年限りという年賀 々 ○一枚の賀状に写るあゆみ哉 々 高校からの友人がゐて彼女とは50年以上の親交がある、年賀状もその歳の分だ…

初夢

○初夢の追いかけて来る事もなく (はつゆめのおいかけてくることもなく) ○初夢に味噌買うて二百五十九円 秋甫 ○初夢のぼんやりぼけて怖くもなく 々 ○初夢を風が攫ってしまひけり 々 初夢になるのだろうか。嫌にはっきり覚えているのは、259円という数字…

初御空

○初御空駅伝八区富士を背に (はつみそらえきでんはちくふじをせに) ○陽の当たる家懐かしき初御空 秋甫 ○初御空極夜旅する人のゐて 々 ○初御空ゆんべの夢も晴れてゐた 々 初深夜ラジオ 未明の時間帯で探検家の角幡唯介の対談をきく。彼はツンドラの真っ暗な…

二日

○夜来の風夢を破りし二日かな (やらいのかぜゆめをやぶりしふつかかな) ○箱根路のドラマ始まる二日かな 秋甫 ○二日はやカレーの人気取り戻す 々 ○津波のごとお節崩れし二日かな 々 恒例の箱根駅伝を観る。 大東文化大の第一走者が転倒。かなり衝撃があった…

初春

○初春や亀の甲羅の水藻かな (はつはるやかめのこうらのみずもかな) ○大旦見知らぬ部屋に目覚めけり 秋甫 ○元日や去年の余熱着て眠る 々 ○元旦や百年の生また刻む 々 明けましておめでとう! そろそろ私の背中にも水藻が着き始めるだろうか? 今年の抱負 新…