葱坊主

     ○忘れ物して戻る児や葱坊主
(わすれものしてもどるこやねぎぼうず)
葉書の投函に出て
木々は若葉をたくわえ花を咲かせ、それらは早くも実の準備にいとまがなく、木々に囀る鳥たちも互いに番い巣を作り卵を温める。
 今、森羅万象はいのちの営みに溢れんばかりです。畑の葱だって坊主をつけて、今にも走りだしそうな勢いに見えます。
 登校の児童が一人、みんなの列を離れて反対に走って戻って来ました。学校の道具でも忘れたのでしょうか、「どうしたん?」と訊いてみると、「おしっこ」だって。
 われわれの子供の頃なんて、道端のネギ坊主にでもひっかけて済ましていたのにね。