秋の陽
◦秋の陽や病む眼は神の光にも
(あきのひややむめはかみのひかりにも)
この年齢でパソコンは眼に大きな負担をかけているのでしょう。健康保険が一割負担になるのを待ちかねて眼科を受診しました。
眼底写真を撮るために瞳孔を開く目薬をさされ検査を受けました。結果は加齢による網膜前黄斑部線維症ということでしたが、いつまでも目を開けることができませんでした。
好奇心から無理してやおら薄目を開けてみると、
これまで経験したことのない光と色の世界が眼前に広がって思わず目を閉じずにはおれませんでした。
死を宣告する儀式のように、
医師は懐中電灯をあてて、瞳孔が開いているのを確かめてから「ご臨終です」と言いますが、
人は死の間際にこの明るい世界を見ているのでしょうか。