2011-10-24 野分 鈍行俳句 ◦表札の字の丸みゆく野分かな (ひょうさつのじのまるみゆくのわきかな) 石垣りんの詩 若い頃に彼女の詩「シジミ」を朗読に聞いて、そのインパクトに圧倒されました。その後忘れていましたが、きのう図書館の本棚にみつけました。 「シジミ」 石垣りん 夜中に目をさました。 ゆうべ買ったシジミたちが 台所のすみで 口をあけて生きていた。 「夜が開けたら ドレモコレモ ミンナクッテヤル」 鬼ババの笑いを 私は笑った。 それから先は うっすら口をあけて 寝るよりほかに私の夜はなかった。